餞別・・・

2002年6月16日
学生時代の友人が仕事で東京を離れるそうで、その餞別、というか引越祝いを買いにつれあいと出撃。

この友人は某県の有力企業の御曹司で、これまで経営の帝王学の一環で東京のある企業で4年間修行をしていたらしい。
4年経って、一応、お父上(現社長)に認められ、いよいよお国入り、という次第。
子会社の社長と、本体の専務だか常務の椅子が用意されているとのこと。
豪華な品物を献上せねば、末代までの笑いもの。

まず、奥様に。
奥様は東京生まれの東京育ちで、田舎に引っ越すのがつらそうだから、
「東京タワーのミニチュア」
に決定。
つらいときはこれを見て東京を思い出してね、ってことで。
・・・はい。
そうです。
ウケ狙いです。
軽い洒落です。
・・・でも、
通じるかどうかは微妙です。
かなりナーバスになっているらしいので。
・・・でも攻めます。
「日本に守り切る文化はない」By P.トルシエ

それから、本題の献上品を捜索に。
捜索といっても一応狙いは定めてある。
彼は無類のワイン好き。
ソムリエ資格の勉強もしているとか。
奥様との縁もどうやらワインらしい。
そこで、
狙いは、ワイングラス。
しかも御曹司にピッタリと言えば・・・

Baccarat

大き目のワイングラス発見。
まずは値札だろう。
庶民としては。

・・・4万円。

4万円ですか?
この小さいガラスの塊が?!
しかも、ひとつ?
ペアじゃなくて?

・・・ふう。

今日のところは勘弁しといてやる。

というわけで当てもなくなり、はて困ったぞ、としているところへ。

Meissen登場!

おお、王侯貴族のためのコーヒーカップで手を打とう。
コーヒーは誰でも飲むだろ。

ブルーオニオン、カップセットはと・・・?

・・・28,000円?
これもひとつ?
うちのコップなんて、何とかいう(マーロウとかなんとか)プリンの入れ物でアイスコーヒー飲んでるのに?

・・・ふう。
なめてます?

夜道を歩くときは後ろに気をつけな。

だいたい、人間贅沢しちゃいかん。
ワインもコーヒーも飲めりゃいいんだよ。
形から入っちゃいかんのです。

というわけで「器」から「中身」にターゲット変更。

となればちょいと戻ってワインへ。

綺麗なおねいさんが応対してくれる。献上品だという事情を説明すると、

おねいさん「赤、白どちらがいいですか?」
水晶玉「・・・お薦めは?」

庶民なのでワインの色なんて知りません。焼酎と生中で十分満足してますので。

おねいさん「好みがありますので」
水晶玉「どっちでも良いんで、あなたの個人的なお薦めを持ってきてください」

おねいさん「ちょっとお値段は張りますけど、これなんかぴったりと思います。」

ふーん、それ知ってる。
聞いたことあるもの。
銀座のクラブでママにおだてられてブルジョワジーな酔っ払いがつかまされるというあれですな。

・・・・

ロマネコンティ。

12万円成り。
おねいさん、大丈夫ですか?
こんなジーンズにTシャツ、スニーカーな人間がそんなもん買うとでも思ってます?
だいたい「個人的な」お薦めって言ってるのに。
あんた飲んだことないやろ。

まったく。
ノルマがきついからって、そんな「飛び道具」で乗り切ろうなんて浅はかなの。

あーあ、それにしても困ったな。
なんか良いものないですかね。

このままだと、
「東京タワーのミニチュア」だけになりそうな・・・

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