ビッグマネー

2002年5月24日
ここ2週間ほど木曜日は10時前後に帰宅できている。
偶然見たのがタイトルのドラマ。
株の運用で大儲けするという内容だと思って見ていると・・・
「相続保険」なるものが登場。

これって「融資一体型変額保険」のことだ。
大手銀行全部が販売していて各地で紛争になっているあれです。
名前を変えたのは、未だに各地で係争中だからか?
(つい先日、某最大手銀行が敗訴したのがニュースになってました。)
しかし、話は全くそのもの。
うーん、恐ろしいテーマ選んだもんだ。

しかも銀行が思いっきり悪役。
極悪非道の銀行員と弱者の味方、長瀬、植木の対決という構図。

この正義の味方が極悪まつば銀行を潰すのだと。
・・・どうやるんだろ。
業界最大手銀行を株で潰すとなると、うーん、ちょっと思いつかない。

そもそも相続保険(変額保険)の問題点は、
1、銀行がリスクの説明をせず、有利性のみ備えた夢の資産運用方法のごとき営業をしたこと。
これについては、今の法律では厳しく規制されているけど、当時は確か「行政指導」だった。
(今の法律でもリスクの説明がないことの立証責任は被害者にある)
日本人は、銀行のものは安全だという潜在意識がある。これが証券会社の営業であればここまで被害は拡大しなかっただろう。

2、保険掛け金相当額を銀行が融資している。
アメリカではたしか、この変額保険というのは一般的なのだが日本との大きな違いはこの融資一体型を認めていないことと、顧客対象者を大きく制限していること。
アメリカで融資一体型を認めなかったのはリスクが大きくなりすぎることを嫌ったからでしょう。

それからこのドラマでは銀行は言葉巧みに「追認」までさせている。
とことん、極悪のように描かれています。
しかし、あれだな。
裁判してまで争っているっていうのに、敵である銀行の書類に、はんこをつくというあたりが日本人の国民性を皮肉っているようだ。
裁判の相手と話し合いをしているという「我が家の危機」に際しても、「でもやっぱり自分だけは大丈夫だった」と思って心を開いてしまう。
リスクの意味をまるでわかっていない国民性ですね。

自分の保険も管理していない人って多いでしょう。
大手金融機関に任せておけば大丈夫、私だけは損することなんかありません、みたいな神話。
自分の会社の決算報告見たことありますか?
一生この会社で大丈夫、つぶれないと信じ込んでいる。週刊誌の噂を否定するカリスマ社長の一言で安心しきっている。
終身雇用でクビにはならない、年金制度で老後は国が保証してくれる、銀行は潰さないという護送船団で自分のお金は守られている、リスクを全く取らずにそこそこ豊かに暮らせるようになった日本人の「甘さ」ですよね。

政府の危機管理能力が足りないとたびたび批判されるけど、この国民にしてこの政府有りってところでしょう。
私の家は大丈夫、だって貯金は○○銀行で、保険は××に入っているもの、という感覚と、日本はいざとなったらアメリカが助けてくれるという感覚、同じだと思うのですが。

今日はちょっと社会派。

なんにせよ来週の
「個人が巨大銀行を破綻させる方法」
を楽しみにしておこう。

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